【PT・OT向け】患者様との信頼関係の築き方(5つのポイント)
患者さんとの信頼関係の作り方がわからない。
どうしたら信頼されるのだろう。
信頼関係が作れなくて、困っているあなたにお送りします。
最初に本記事の結論です。
・時間を守る ・コミュニケーション ・治療で結果を出す
これらが重要です。
あなたが信頼している人は誰でしょうか?
もし自分が患者様の立場だったらどのような人が信頼できますか?
これらを意識すると、信頼されるセラピスト像が見えてくると思います。
私の考える信頼できるセラピスト像は以下の通りです。
1.時間を守る
2.良いコミュニケーションがとれる
3.治療で結果を出せる
4.しっかりとした説明ができる
5.誠実に対応する
それではそれぞれ深堀りしていきます。
1.時間を守る
基本ですね。
時間はしっかりと守りましょう。
いくら治療技術が優れていても、これができないと信頼関係は作れません。
同期や先輩でも、時間に遅れてくるような人は信頼できませんよね?
社会人としても基本です。
どうしても時間に遅れてしまう場合は
会議や、患者さんのトイレ誘導など、緊急の対応で次の患者さんの時間に遅れてしまうことがあります。この場合は、2つ対処法があります。
①時間が遅れるということを伝える。
緊急時の対応をしている時など、時間が遅れる報告ができないこともあると思います。
自分で時間が遅れることを伝えられなくても、他に時間が遅れることを伝えに行ける手段を考えましょう。
もし自分で伝えることができないとしたら、他のスタッフに頼んで次の患者様に時間が遅れることを伝えてもらいます。
ここで重要なことがあります。
それは、
普段から色々なスタッフと良好な人間関係を作っておくこと
普段から自分のことしか考えないで、他のスタッフの仕事を手伝わなかったり、一緒に仕事をしていくスタンスを見せていないと、いざという時に手伝ってくれません。
こういう緊急時に誰かが助けてくれる人は、日頃からタネを撒いているものです。
日々、計算高く仕事をしろというわけではないですが、普段から周囲のスタッフと良好な人間関係を作っておくことは、かなり大事です。
②予め遅れることを想定してスケジュールを組む
会議などが長引くことを想定して、余裕を持ったスケジュールにします。
もし早く会議が終わったとしても、「早く来れたので、来てみました。」などと言って患者様に介入すればいいだけです。
遅れるよりは印象が悪く無いです。
30分とか大幅に予定が早まるようであれば、患者様と介入する時間の相談をします。
「予定より大幅に早いのですが、今からリハビリでもよろしいですか?」
このように聞いてみましょう。大抵は大丈夫と言っていただけるはずです。
2.良いコミュニケーションがとれる
コミュニケーションといっても、色々あります。
ざっと思いつく限りでも3つあります。
Ⅰ.アイコンタクト
Ⅱ.笑顔
Ⅲ.話し方
それぞれ深堀していきます。
Ⅰ.アイコンタクト
アイコンタクトは文字通り相手に視線を向けることです。
しかし、ただ見ればいいというわけではなく、凝視すると威圧的な態度となるため、適度に視線を外すことが重要です。
目安としては関わっている時間の50%くらいアイコンタクトができればOK。
アイコンタクトが十分にできれば、相手にいい印象を与えることができます。
アイコンタクトに関する論文があったので、載せておきます。
Ⅱ.笑顔
コミュニケーションの時に、笑顔作れていますか?
評価や治療でいっぱいいっぱいの時は、笑顔を作っている余裕などありませんよね。
無表情で、相手に視線を向けていないと、冷たい印象や興味を持っていない印象を与えてしまいます。
また、笑顔が無いと、相手に否定的な印象を与えてしまいますので、特に初対面の患者様に介入する時は注意が必要です。
第一印象に関する法則で、メラビアンの法則というものがあります。
視覚・聴覚、言語の3つの要素が第一印象を作るとされている法則です。
参考のリンクを貼っておきますので、気になる方はコチラ(他サイトへのリンクです)よりどうぞ。
Ⅲ.話し方
話し方にはわかりやすい「型」があります。
それは、
【結論】 【理由】 【具体例】
この型に沿って会話を展開していきましょう。
最初に結論を話すことによって、受け手はこれからどのような話が展開されていくのか、イメージすることができます。
このイメージがあるのか、無いのかでは、話の理解度が違ってきます。
話をする目的は、相手と共通の理解を作りたいからですよね?
なので、内容が伝わらなければ意味がありません。
話し方の参考になるサイトと書籍をそれぞれリンクを貼っておきます。
話し方の上手な人には共通点がある!3つの重要ポイントと改善方法
人生は話し方が9割、話し方がうまくなる「3つのコツ」 | 要約の達人 from flier | ダイヤモンド・オンライン
3.治療で結果を出せる
しっかりと効果判定をして、いい治療につなげましょう。
やはり、よくしてくれない人より、しっかりとよくしてくれる人の方が信頼されることは明らかです。
意外と毎回効果判定をして、次の治療につなげている人は少ないように思います。
まずやってみないとわからない事が多いリハビリだからこそ、効果判定を行い、PDCAを回していきましょう。
効果が出ない=結果が出ないでは無い
結果と効果、これを混同している人がいます。
私の考えとしては治療効果が出ない=結果が出ないという考えはしていません。
理由は、治療効果がなくても次につなげれば良いからです。
1回の介入でしっかりと治療効果が出ることが望ましいですが、疾患や患者様の状態によっては1回で治療効果が出ないこともあります。
また、自分の評価結果や、立てた仮説が間違っていることもあると思います。
そのような時に、今回の仮説では効果が出なかったから別の視点で評価をしてみようとか、次はこの可能性を考えてみようとか、次の手を打つための土台になればいいと思います。
一番やってはいけないことは、
治療効果が出ずにガッカリ…。で思考が停止してしまうことです。
また、あまりいないとは思いますが、治療効果が出ないことを患者様のせいにすることも絶対だめです。
4.しっかりとした説明ができる
上の項目で、結果が出なくても次に繋げれば良いことを書きました。
患者様の中には、すぐには効果が出ないことがあります。
その時の患者様の心境は次の通りです。
・不安になる
・自分を責める
すごくネガティブな感情になります。
なので、その不安に寄り添って、適切な説明をすることが大事です。
この適切な説明をするためには、しっかりと病態やリハビリの進み方、予後予測についての知識が必要になります。
知識が必要なだけでなく、患者様にわかりやすく説明することが求められます。
わかりやすく説明するポイントは、
・専門用語を使わない
・1文を短く切る
・内容が理解できているか、随時確認しながら話を展開する
これがかなり難しく、自分ではわかっているつもりでも、うまく噛み砕いて説明することができないことが多くあります。
その場合は、完全に知識を理解していないことが考えられます。
説明ができなかった部分に対しては、もう一度参考書や勉強会の資料などを見返して、知識を定着させてください。
わかりやすい説明ができるセラピストは、それだけでも人気が出てきます。
5.誠実に応対する
一生懸命に応対してください。
これは一年目から出来る事ですし、何年目になっても油断できない事です。
一生懸命対応してくれてるかは、患者様本人が一番よくわかるそうです。
手つきとか姿勢など、患者様も体を通していろいろな情報を受け取っています。
私たちも5感をフル活用して、患者様の評価をするのと同じく、患者様も私達の事を評価しています。
私が特に気を付けているポイントがあります。それは、
自分の胸を治療対象の部位に向ける
です。
こうすることによって、ひたむきに一生懸命治療に臨んでいる姿勢を見せることができます。
また、患者様の話はしっかりと聞いてください。
話の腰を折らないということが大事です。
話をしっかりと聞くためのポイントは、
・否定しない
・相づちをうつ
・凄いと思えるところは心から凄いと言う
・わからない事は質問をする
です。他にもポイントはあると思いますが、私が心掛けているのはこれくらいです。
その他の接し方については、理学療法士のための患者様との接し方【5つのポイント】
でも書きましたので、記事も合わせてご覧下さい。
6.まとめ
私の考える信頼されるセラピスト像を書きました。
これらが必ず正しいというわけではないですが、社会人として、セラピストとしてしっかりと信頼されるように対応していきたいですね。
理学療法士や作業療法士は、医学書で勉強することが中心だと思います。
話し方に関する書籍や、説明の方法に関する書籍もあるので、医学書から離れて他の本を読む時間を作ってもいいかもしれません。
それでは、今回は終わりにします。